日本山岳遺産ニュース
2月17日、熊本県八代市で「森林活用」「問題共有」「次世代への継承」の大きく3つの視点から九州の山岳について考えるシンポジウム(主催 一般社団法人五家荘地域プロジェクト、共催 日本山岳遺産基金)を開催し、九州エリアの日本山岳遺産認定団体6団体が参加いたしました。
森林活用事例の発表となる第1部では、デンマークの幸福を表す価値観(ヒュッゲ)を参考に観光体験の取り組みを進める例や、森林保全活動の一つとして防鹿柵の設置、森に自生するイタヤカエデの樹液からメープルシロップを作り販売する事例が紹介されました。
共通の問題をテーマとした第2部では、登山道の落書き問題に関するニュース動画の共有や、レスキューポイント設置、登山道の道しるべのテープが個人による過度な取り付けや取り外しが起きているということを受け、県をまたいで通用する統一ルールの構築を促すのがよいのではないかという提言がありました。
次世代への継承をテーマとした第3部では、日本遺産に認定されたことで地域住民の意識が変わった事例や、地元の山域を行政、学生、地元企業などと共に守っていくネットワーク構築について、次世代を担う若い人たちに地域の自然の素晴らしさをどのように伝えたら良いか、といったテーマで発表が行われました。
本シンポジウムは、日本山岳遺産の認定団体同士が意見交換をする初めての機会となりました。これからも団体同士の交流が生まれるような取組を続けてまいります。