三ツ峠ネットワーク open_in_new
認定年:2017年
助成金:700,000円
助成内容:自生植物の維持と植生回復作業
開運山・御巣鷹山・木無山の3山の総称が三ツ峠(山)です。奈良時代から霊山とされ、江戸末期に修験場として開山されました。富士山や南アルプス、八ヶ岳などの好展望地として知られており、多くの登山者が訪れます。環境省レッドリストの絶滅危惧II類に指定される希少植物・アツモリソウの自生地としても有名です。
三ツ峠の自然環境を守り適正な利用を進めることを目的に、「三ツ峠ネットワーク」は三ツ峠山荘の主人らを中心に2010年に設立。三ツ峠を愛する人々の相互交流を図りながら、主にアツモリソウの監視・保護活動を続けています。
助成金はアツモリソウ自生地の植生維持と回復のための保全活動のために活用し、深刻なニホンジカによる食害に対する防鹿柵も設置しました。
[2018年度活動報告]
4月から11月にかけて、月1回1泊2日の例会を開催し、希少植物種アツモリソウ自生地の保全活動や、カモメラン、ウチョウランなどの保護の巡視活動などを行いました。
これまでは遮光障害を来すカラマツの下枝払いやササ刈りを手鋸や手で作業していましたが、今回の助成金でチェーンソーと刈払機を購入、作業がはかどりました。
山頂周辺へのニホンジカ侵入による採食被害が年々増加してきています。これまでアツモリソウが自生している草地に防護柵を設置してきましたが、今年も柵長210m分の資材を購入し、御巣鷹山草地の3カ所に60m、70m、80mの柵を設置しました。初めの60mはすでに設置していた40mを延長して、100mの柵として完成させることができました。
ニホンジカの採食被害は今も続いていて、林床に自生しているカモメランやレンゲショウマの被害がこの2年間で顕著になってきています。三ツ峠に花の鑑賞目的で訪れる登山客の多くは、カモメランとレンゲショウマを楽しみにされています。環境省自然保護官を中心に地域行政とも話し合いを進めていて、今後は林床の保全区域を決めて防護柵の設置対策などに取り組む予定です。
関連ニュース
2020.07.24
遺産認定地 トピックス
「山小屋エイド基金」のサイトで、山梨県・三ツ峠を紹介
- クラウドファンディング「山小屋エイド基金」のサイトで、三つ峠山荘ご主人・中村光吉さんのメッセージが紹介されています。三ツ峠は、2017年度の日本山岳遺産認定地であり、中村さんは認定団体「三ツ峠ネットワーク」の代表を務められています。 今回の新
2017.11.02
日本山岳遺産ニュース
本年度の日本山岳遺産認定地として全国6カ所を認定
- 日本山岳遺産基金では、2017年度の「日本山岳遺産認定地」6カ所を決定しました。 本年度については8つの団体からの申請があり、アドバイザリーボードの助言のもと、事務局で検討した結果、三ツ峠ネットワーク(山梨県・三ツ峠)、岩手山地区パークボラ