日本山岳遺産ニュース

みんなで歩いた白馬

 日本山岳遺産キャンペーンの一環で、9月19日~20日の日程で小学生のお子さんをもつご家族とともに白馬周辺を歩いてきました。各地から5組計12人の親子が集まり、初秋の八方尾根、栂池自然園の自然を満喫しました。

 2日間、ツアーを引率していただいたのは、地元のガイドのおふたり。花の解説が得意な太田敏子さんと、山岳救助隊でもあった小林要さんのおふたり。それぞれのキャラクターを活かし、楽しいガイドをしていただきました。

 

■ゴミ拾いのプロも参加

▲白馬グリーンパトロールの田中隊長(右)に参加いただき、みんなでゴミを拾いました 

 1日目は八方尾根をトレッキング。天気がよく、遠くには白馬岳や五竜岳が見え、足元にはウメバチソウやタムラソウが咲く稜線を歩きました。

 この日は、林野庁の白馬グリーンパトロールの田中慎二隊長も特別ゲストで参加。グリーンパトロールは、夏の間、白馬岳周辺で高山植物保護・啓発活動やゴミ拾いをしています。今回は、親子と一緒に歩きながら、高山植物の保護やゴミの持ち帰りなどの登山者に必要なマナーを解説していただきました。この日の終わりには、みんなで拾ったゴミを広げて、どんなゴミが落ちているかを確認。最近はあめ玉の小袋が多いとのことで、この日もいくつも落ちていました。

「あめ玉の袋は捨てるというよりは、ポケットから落ちちゃうんだと思います。みんなも気をつけてね」と田中隊長。山の自然の大切さと基本的なマナーについて教えていただきました。

 小学1年生のお子さんが3人いたので、のんびり歩いて第2ケルンまでで時間切れ。展望あり、お花ありのトレッキングでした。

 この日は、露天風呂に入ってから、村営猿倉荘に宿泊。山小屋のおいしい夕飯にびっくり!

 夕食の後で、子どもたちに「今日1日でなにが楽しかった?」と聞くと、ほぼ全員が「登ったこと!」と答えて驚きました。この日はリフトに乗ったり、山の展望も良かったし、お花も咲いていたし、バッタもいたし、いろいろあったのですが、いちばんが「登る」こと。登山のチカラを感じました。

▲八方尾根で記念撮影。白馬三山や五竜岳が見えましたが、子どもは展望にあまり興味がない?

 

■水の冷たさを体感!

▲冷たい水に手をつけて、だれがいちばん耐えられるかを競争しました。お父さんお母さんも参加しました

 2日目は栂池自然園散策。はじめに同時に開催していた「トラッシュチャレンジ」の担当者から、栂池自然園の入り口でゴミ拾いの話を聞いてから、初秋の湿原の木道を歩きました。

 この日の子ども的ハイライトは栂池自然園の真ん中を横断する楠川の川原に下りられるところ。ガイドさんの発案で、みんなで一斉に透明な川の水に手をつけ、がまん大会を開催。水温はなんと5度。みんな「冷たい~!」と叫びつつ、まさに自分の肌で山の水の冷たさを体感。

 湿原を歩きながら、ダケカンバのなめらかな樹皮に触ったり、木の葉っぱの不思議な匂いをかいだり、トガリネズミの死体にびっくりしたり、まさに五感で栂池の自然を感じました。

▲栂池自然園では、「トラッシュチャレンジの説明も聞きました

 

■子どもたちの感想

 2日間のイベントのあと、親御さんたちにその後の、子どもたちの様子を聞くと、

  • 「ケルンまでの山登りがとくに印象に残っているようです。栂池自然園の雪溶け水を持って帰りたかったようで、水筒を持ってまた行くと言っています」 (田中真一郎さん・日奈子さん小5)
  • 「また山にぜひいきたい、と言っています!」 (永田恵さん・詩織さん小1)
  • 「『かわにてをいれてみたら すごく みずがつめたかったけど すごくたのしかった』ということで、それで勝ち負けをつけて遊んだのがおもしろかったようです」 (小山敬夫さん・朋樹くん小1)

 といった感想が寄せられました。

▲2日目の栂池自然園は小雨のあいにくの天気でしたが、子どもたちは元気いっぱいでした。指三本は「山~!」という意味です

 2日間という短いイベントでしたが、子どもたちのよい思い出になり、山という大自然の一端を感じてもらえたようです。今後もこのようなイベントを企画していきます。ご期待下さい。

(報告=日本山岳遺産基金事務局・山と溪谷編集長 神谷有二)

 

■ みんなで撮った白馬の自然

白馬のツアーではみんなが一台ずつデジカメを持って
写真を撮りました。
さて、そんな写真が撮れたでしょうか?

 今回のツアーでは、カメラのキタムラの協賛で、子どもたちには1台ずつ防水デジカメを無料レンタルしました。カメラは、富士フィルムの世界最小防水コンパクトデジカメ「FinePix XP10」。子どもたちは、操作方法をとくに教えなくても、思いのままにカメラを向け、自由に写真を撮っていました。

 ツアーでは「なんか写真を撮る」という気持ちが、「なんかおもしろいものがないか?」という行動になり、周りのものを本当によく見ていました。大きな自然から小さな生きもの、ちょっとした不思議なもの。お父さんの尻……。子どもの視点は、大人とはちがう別のものを見ているようでもあります。


▲富士フイルムFinePix XP10

 わたしたち主催者にとっても、写真を撮るという行為が、きちんとものを見るということにつながっていることを認識でき、なかなか興味深い体験でした。

 

■子どもたちの作品

初秋の雲(永田詩織さん・小1) 防水デジカメの真骨頂!(大塚雅基・中5) 紙の切符ってめずらしい(小山朋樹・小1)
木道の節(大塚英人・中2) 猿倉荘のおいしいごはん(田中日奈子・小5) トーサンの尻(福島 航・小1)

今回、彼らが撮った写真を事務局が1冊のフォトブックにしました。傑作ぞろいで、子どもたちの見る目に驚きました。

 

■みんなの写真で作ったフォトブック

※ ページの端をクリックすると、アルバムのように、パラパラとめくることができます。

 

■フォトブックについて

フォトブックは、デジタルカメラの写真を使ってオリジナルのアルバムを1冊から作成できるサービス。上記のように、写真集のようなオリジナルのアルバムを作ってみたい、という人は、「日本山岳遺産キャンペーン2010 フォト&フォトブックコンテスト」を参考にしておこう。